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その日の練習はそのまま音楽祭で何をやるかの話し合いになって、特に演奏はしないまま小春と校門で別れて晴明と中華屋に向かった。 その中華屋は高校から自転車で少し行ったところで、店内は左手にカウンター席、右手と奥のスペースにテーブル席が四つある。年季の入った暖簾やベタベタする床は、歴史を感じると言えば聞こえはいいけど、小春の言う通り汚い。しかし高校に近いというのもあって運動部の人たちには絶大な人気を誇っていて、彼らの練習が終わる時間になると店内は一気に混むらしい。 しかし運動部はこの時間はまだ活動してるので店内には家族連れが一組とサラリーマン風の男が一人いるだけだった。
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