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この時間になるとこの辺りの車通りはほとんどなくなる。僕と晴明は二人で並んで車道の真ん中を自転車で走っていた。すると晴明が突然、 「結多、俺が小学六年生まで食べられなかったものはなーんだ!」 と言ってきた。 「小六?知ってるわけないじゃん」 「正解はほうれん草!」 「ふ、ふーん……」 どう反応すればいいんだろう……。 「男の絆ってのはさ、間にラーメンがあればそれで充分、固くなるもんなんだよ。お互い知らないことがいっぱいあってもさ。それって音楽にも同じこと言えんじゃない?」 「同じ……かなあ?」 そもそもラーメンが絆を深める理屈もいまいち納得できていないんだけど。 「同じなんだよ!そういうことにしとけ!」 そう言って晴明は僕の背中を叩いた。 「うわっ、危ないなあ」 「ははは」 そんな感じで僕たちは家まで帰った。晴明の中でラーメンがどんな存在なのか、気になった。
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