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僕は何とか気持ちを変えようと、
「どういう経緯で付き合うことになったの?」と聞いた。
「それがね、ハル君、男友だちとしかラーメン行かないのに、私とだけは一緒に行ってくれたんだぁ。もうそれで好きになっちゃった」
「は?それだけ?」
「え、だって特別な感じするじゃーん。ねぇ?」
「ねぇ?」
晴明と河野さんは顔を見合わせてそう言った。……ここにまた一人馬鹿が増えたのだとその時分かった。小春を見ると、彼女も呆れているように苦笑いしていた。
「まあ、それは何て言うか、良かった」
僕は息を吐き出すようにそう言った。何というか、ものの数分でどっと疲れてしまったのだ。僕がそう言った時、なぜか小春と目が合った。というか小春が僕のことを見ていた。だから僕は小春に、
「ね?」
と聞くと、小春は、
「ホント、結多も恋人の一人や二人作ったらもうちょっと人の気持ちとか分かるようになるのになあ」
と言って僕をからかった。そんな感じで昼休みは過ぎていった。
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