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「そう言えば今日はあのお菓子食べてないね」 「おっ、気付いたなあ?じゃーん!帰りに二人で食べようと思って」 と言って小春は鞄からいつも食べているチョコレート菓子を二つ取り出した。 「ありがとう」 僕らは二人並んで歩きながらそれを頬張った。春も終わりに近付き、暖かくなってきたせいかチョコが少し溶けていた。 「んふふー。うまー」 僕はそうして美味しそうにお菓子を食べている彼女を見た。そして、今までとは違う風に小春を見ている自分にも気付いた。こんな感覚は初めてだから今はまだ上手く言葉にすることができない。でも、いつかは伝えたいと思えた。 音楽は人との繋がり。今なら分かる。何故なら小春の音で、僕は自分の気持ちに気付くことが出来たのだから。 「小春、口にチョコ、付いてるよ」
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