【完】短編  知らなかった方がよかったのかな

1/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ

【完】短編  知らなかった方がよかったのかな

 自分は今もあの頃の自分を恨む。浮かれ過ぎていた。でも、楽しかったんだ。仕方がなかったと言ったらそうだと思う。     「よろしくおねがいします」その一言から、人生で初の部活動のスタートだ。顧問は本間先生。何かと起用でなんでも出来てしまう数学の先生だ。ちなみに、野球部なのだが本間先生は大学までみっちりサッカーしかやったことがなく、一年しか、野球をやったことのない、いわゆる初心者だ。部員の先輩、同級生たちはいたって普通だ。ただ、一つ言うなら、自分はキャッチャーしかやってことがない。だから周りよりも下手だ。だからこそ、練習では人一倍声を出し、真剣に部活と向き合った。でも、周りには勝てず、顧問が居る時だけ声を出す奴らは、うまくなっていった。当然だが顧問が居る時にしか声を出さない奴らが勝てるわけもなく、中体連の初戦で敗れていった。     秋のシーズンとなった。部員は10人となり、ちょうど一人だけベンチだ。自分はその一人になりたくなかった。一生懸命やった。努力した。すると技術が身に付き、内野手になることができた。うれしかったんだ。その後、秋の大会で第二ステージまで進んだ。でもそこで自分はやってしまった。エラーを大量にしてしまったんだ。普段は「エラーは別にいい。」普段そういう顧問でも流石にむすっとしていた。その後逆転も出来ず大惨敗だった。理由は自分のエラーだ。試合後泣いたよそりゃー。そしたら顧問にこう言われたんだ。「切り替えろ。明日もあるんだから。しっかり切り替えたら明日も使う。」正直、「いや、無理でしょ。」そう思ったのだが、試合に出たかったから、頑張って切り替えようと思った。でも次の日、試合には出れなかった。その後の試合は全てあの大惨敗の試合の次の日から自分の代わりをしたやつが守った。あの日から自分は態度を冷たくされ、「センス無い」って数えられないぐらい言われた。自分がセンスあるからってなんでも言っていいのかよ。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!