プロローグ☆赤銅のプリンセス

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プロローグ☆赤銅のプリンセス

「ミリー・グリーン。君が一番欲しいものは何?」 「リラシナ。もちろんあなたと私の子どもよ」 「じゃあ、もう叶ったね。あの娘をごらんよ。君にそっくりだ」 「ほんとに、なんて幸せなのかしら」 両親がラブラブなのは良いけれど、私にとってはあまりにも目も当てられないので、こういうときはいつも傍に行かないことにしていた。 「パイソン。髪をとかして」 「あら。・・・ミリーには言わないの?」 「今、お取り込み中」 「まあ。くすくすくす。しょうがないわね」 パイソンが私の髪をブラシでとかしてくれる。 「本当になんてきれいな髪なの?まるで燃える炎のようよ」 今のお母様の姿とは全く似ても似つかないのに。周りの人たちは口をそろえて「ミリー(お母さん)の生き写しだ」と言う。 どうして?お母様はストレートの黒髪に青い目なのに、赤銅の髪と緑の目の私と似ているなんて言うの? 「今日は何か予定があるの?」 「ええ。朝一番に見た夢で、男の人が私に会いに来るの」 「まあ」 パイソンはこころもち青ざめた。あまり言うべきことではなかったかしら? 「あなたはリラシナの予知能力を少し受け継いでいるから、きっと正夢ね。用心してね」 「ええ」     
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