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専用キーでドアを開け、部屋の隅に置いてあるダンベルラックの中から10キロのダンベルを2つ手に取った。
それを両手に持ち、右足を踏み込むと同時に右パンチを出す。
左足も同様に、踏み込むと同時に左パンチを出しながら前進し、壁際まで行ったら、今度は後ろ向きで繰り返す。
それを6往復したところでドアが開いた。
入ってきた男が柔和に微笑む。
「やってるね、来宮くん」
「すみません三輪さん、練習つきあってもらって」
「いや、僕の練習にもなるからいいよ。それに僕のほうこそ、このジム使い放題にしてもらえてありがたいよ。じゃあまずミット打ちからやる?」
「はい、お願いします」
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