二度目の大晦日

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「貫一さんの布団で寝ていいんですか!?」 シュバッとこたつから出てきた智典に、あほかと返す。 「座敷に客用の布団敷くから、そこで寝ろ」 「えー、ここで貫一さんと同じ布団で寝たいです」 「うん、じゃあ帰れ」 「……客用布団でいいです。でも、座敷は嫌です。ここに敷いてください」 「ここは無理だ。こたつあるし俺の布団も敷くから、お前の布団のスペースは無い」 「こたつを端に寄せて布団をくっつければ2組敷けますよ。……貫一さん、考えてみてください、別の部屋で寝ていて、もし俺の病状が急変したらどうします? 発見が遅れたら命に関わるかもしれないんですよ。看護者は近くにいてくれないと!」 よくわからない理由でごねる。
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