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「それでも僕にとってプロは厳しいんだ」
「厳しい、ですか？」
アマではヘッドギアをつけなくなったし、採点方式もプロと同じになった。プロとの違いはあまり無いように思うが、何が厳しいのだろう。
「ネックは、ラウンド数なんだ」
「ラウンド数？」
「アマは3回戦だけど、プロは6回戦や8回戦を戦わないといけない。いや、最近はアマでもそのくらいやることもあるけど、……やっぱりしんどいんだよね。
ミドル級の選手はパワーが強いから、やり合うと消耗が激しい。かなりのスタミナがないとやっていけない。
……僕はもともと虚弱体質でさ、強くなりたくてボクシング始めたんだ。でも持って生まれたエネルギーの蓄積回路が小さかったのか、どんなに頑張っても持久力が保てないんだ。アマの試合でも長丁場になると負けることが多いし。そんな僕にプロは難しい。……それ以前に、素人の君に負けちゃうんだから話にならないよ」
「三輪さん……」
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