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「ああっとごめん、嫌味言うつもりじゃなかったんだ。はは、疲れちゃったのかな。今日はもうシャワー浴びて帰るよ。来宮くんは?」
「俺はもうちょっとやっていきます」
「そっか。じゃあお先に。お疲れ」
「お疲れ様です」
三輪さんが出て行ったあと、またダンベルトレーニングをしようと思ったが、なんとなく気乗りしなかったので、道具を片づけて帰ることにした。
家に帰ってシャワーを浴び、録画していた衛星放送のボクシングチャンネルを見る。
気になったテクニックがあれば、何度も再生して軽いシャドウで試す。
俺は経験が浅く技が少ない。だから真似することでそれを吸収し、取り入れるよう意識している。
……頑張らないと。
俺は、三輪さんと違って恵まれた身体を持っている。だからこそ、それに胡坐をかかずに努力しないといけない。
「頑張ろう」
三輪さんの悔しそうな表情を思い返して、ぐっと拳を握りしめた。
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