煩悩と決意の大晦日

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ビキニの布地が雨で溶けている。 「なお、本日のラウンドガールの衣装は、水溶紙を用いた特別仕様です!」 オオォーー! 客席がどよめいた。パチパチパチと拍手が飛んでくる。 あわてて貫一さんに覆いかぶさり彼の身体を隠す。 ふざけるな! この人の裸を見ていいのは俺だけだ! 「……そうだ、おまえだけだ」 雨が急に止んだ。 周囲にいた人の群れも忽然と消えた。 青いキャンバスが、いつのまにか白いシーツになっている。その上にしどけなく寝ころんでいるのは、 「智典……」 紐だけビキニをまとう貫一さんだった。 「ベッドの上で、俺と勝負だ」 なめらかな曲線のボディフォルム。そこに紐が食い込み、量感のある肉をよりジューシーそうに引き立てている。 あまりに魅惑的な姿に、もはや声も出ない。 「ほら、おいで」 嫋やかに誘われ、俺は即落ちした。 飢えたオオカミのように襲いかかり、紐で強調された胸の粒に歯を立てる。 「あっ……んんっ」    可愛らしい反応に、ますます野獣ボルテージが上がった。口を大きく開けて胸にかぶりつきながら、秘められた場所へ手を伸ばす。 不思議なことに、そこはすでに柔らかくほぐれていて、俺の差し込んだ指をすんなりと呑み込んだ。 指を増やしても貫一さんはまったく痛がらない、どころか敏感に感じて身じろいでいる。 「あ、ぁっ、んぁ……っ」
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