母来襲

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確かに、母さんは息子の俺から見ても美人だ。 とても45歳とは思えない若々しさで、小作りの顔には神様がひとつひとつ丹精込めて作ったであろうパーツが完璧な配置で並んでいる。 けれどその顔立ちをコピー(して、男らしくカスタマイズ)した顔がここにあるのだから、母さんに見とれるなら俺に見とれたっていいだろう。 「私の妻の美咲です」 母さんが隣にいる美咲さんを手のひらで指した。 「……へ?」 「はじめまして。智典のもう一人の母です」 説明を求めて俺を見上げてくる貫一さん。その戸惑う表情の可愛さに、憮然とした気持ちがふっとんだ。 ああ、チューしたい。 「母さんは離婚したあとに美咲さんと結婚したんです。書類の上では養子縁組ですけど」 「はぁ……」 まだ理解しきれていないようだ。 「突然押しかけてしまってごめんなさい。うちの子がこちらでお世話になっていると聞いて、ご挨拶しなければと思いまして。これ、つまらないものですが……」
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