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「うるさいぞ。コタツにはいっぺん入ると出られない魔力がある。いくら俺でもこいつには敵わない」
「なに言ってるんですか。……もう完全に酔ってますね」
「酔ってない。よし、その証明に、おまえに技をかけてやろう」
言うなり、貫一さんが俺の腕をむんずと掴んだ。
「うわっ!」
引っ張られて横倒れになった俺の首を、貫一さんの腕が抱え込む。
「ヘッドロ~ック!」
「ちょ、くるし、ギブ、ギブ……!」
あまりの締まりに涙目で必死にもがくと、
「はっはっは、まいったか」
力は緩められたが、腕の密閉度がかなり高く、なかなか首が抜けない。
このひと、ボクサーよりプロレス向きだったんじゃないのか?
うーっ……と言いながらなんとか抜け出ようと頭をひねっていたら、何かがムニっと頬に当たった。
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