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「私らしい私でい続けてほしいから」
「ええ。勝手ですけどね」
「ほんと。君は今日は勝手だな」
「ごめんなさい」
「君が勝手にするなら、私も勝手をさせてもらおう」
「え?」
先輩は椅子から腰をあげ、僕に近づいてきて、
そして。
……………………………………………。
「な? 勝手だろう?」
「勝手すぎます……」
「最後かもしれないのだから、いいだろう」
「……いやです」
「ん?」
「最後なんかにさせません」
「それは凄いな」
「いつか必ず、今度は僕から、あなたのところにいきます」
「楽しみだ」
「だから、待っていてください」
「あぁ、ずっと待ってる」
先輩は、僕の涙を拭ってくれながら。
朗らかな太陽のように笑いながら。
目尻に涙を、ためていた。
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