序章 悲しみの探偵

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序章 悲しみの探偵

 悲しみの先には、悲しみしかなく、悲しみの後にも、悲しみしかない。  探偵、三島源太郎。  彼の扱う事件には、いつも悲しみが伴う。  ハッピーエンドは無い。  しかし、悲壮感とも違う。  残るのは、切ない悲しみ。  いつしか、人々は、彼を「悲しみの探偵」と呼ぶようになった。  悲しみが彼を導くのか。  彼が悲しみを導くのか。  真実の断面図を眺めても、原因にたどり着くことは困難だ。  そして、今日もまた、三島の行く先を、悲しい事件たちが取り囲む。
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