帰り道の不思議さん

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帰り道の不思議さん

僕は中村裕太15歳。中学3年生だ。 最近高校受験も終わり、僕はある1つの事を決心した。 学校からの帰り道、川の河川敷にいつもその男はいた。 不思議さん 僕はそう心の中で読んでいる。 年齢は20代半ばといったところか。 その姿は『ムーミン・シリーズ』に出てくるスナフキンの様な格好をしている。 いつも不思議さんは紙とペンを持ちながら、川が流れているのを見ている。 そんな側から見ればただの不審者である不思議さんに、僕は興味を持っていた。 そして受験が終わった今、遂に話しかけようと意を決したのだ。 こけない様にと河川敷に降り、不思議さんの元に歩み寄る。 不思議さんの隣に並ぶ様に座る。 そして・・ 「いつもそんな所で何をしてらっしゃるのですか」 記念すべき一言をかけた。おかしな言葉は無かっただろうか。 すると不思議さんは、特に驚くそぶりも無く答えた。 「小説のネタを考えてるのだよ」 だからいつも紙とペンを持っていたのか。 1つ謎が解けた。 「小説家なんですか?」 この人ならあり得そうだと思い聞く。 「一応ね。でも最近ネタが思い浮かばず行き詰まっているんだよ」 だからずっとこの河川敷に入り浸っているのか。 2つ目の謎も案外簡単に解けた。     
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