3 男の子と女の子

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「こらっ、真白。手、止まってんぞ」  窓の外見てたら、頭をペシッて叩かれた。  振り返ったら、長い人差し指が、僕の持ってたホウキをつんつんつついた。 「律」 「サボんなよなー。めんどくさいのはわかるけど、みんなそう思ってんだから」 「うん。そうだよね。ごめんなさい」  僕は頭下げて謝った。汚れた雑巾持った律に怒られたら、反省しないわけない。  今日は掃除が終わったら帰れるから、もたもたしてたら帰るの遅くなっちゃう。  それに、先生の話聞くのも、走るのも、ご飯食べるのも、遊ぶのも、それに掃除も、律は何でも一生懸命。今も真面目に床とか窓とか拭いてくれてた。  それなのに、そんな時に考え事してぼんやりしちゃうなんて、最低だった。そんなの律も怒るに決まってる。もっと怒っていいはずなのに、「や、謝ることないけどさ」って笑って済ませてくれるなんて、律って本当に優しい。  僕もちゃんと真面目に床はいて、机動かして、ゴミ箱の中身も捨てに行った。  掃除なんてめんどくさいし、教室なんて綺麗にならなくてもいいけど、ちゃんとやらなきゃ律に怒られちゃう。それって律を困らせることだ。もうそんなことしたくない。 「あっ。律君っ!」  教室が元に戻る直前くらいのころ。律のお気に入りのふわふわちゃんが、律のところに駆け寄ってきた。
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