ホテル・ヴァンパイア

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「じゃけん、ガマさんよ。さっきからヴァンパイア言うとるが、何ぞ、見つける方法はあるんかい?」  誠司が言うと、 「ちょっと待ってください」  御神楽が前に出る。 「そもそもヴァンパイアなんて馬鹿げている。そこからでしょう。ガマさんはヴァンパイアが俺達の世界に巧みに潜んでいるとか言いますけど、なら多少の痕跡は残るはずです。なのに俺達は全くヴァンパイアを確認していませんよ」  ヴァンパイアなんていないのだと、御神楽はそう言っている。  対してガマさんはニヤリと、気持ち悪い笑みを浮かべた。 「一人の革命的なヴァンパイアがいましてねェ。そいつのせいで、ヴァンパイア達はバレない血の吸い方を覚えてしまったんですよゥ」 「は? その革命的なヴァンパイアちゅうんは何じゃ?」 「ええ。ヤツは吸血革命家のマっちゃんといいましてねェ」 「「「ダサッ」」」  御神楽と誠司と里穂が声を合わせる。  思いっきり首を横に振っている。  両手を胸の前で交差させてバツを作っている。  ……僕はカッコイイと思ったんだけど……。  とりあえず、黙って僕は話を進めることにした。 「そいつは何者なんじゃ?」 「ええ。とても頭の良いヤツなんですよねェ」     
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