17人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
御神楽がコメントを入れたが、
「ちゅうか、支配人。よぅ、そんな本のこと知っとったのう?」
当然のように流されていた。
「ええ。当然知っておりますとも。なぜなら、ワタクシ、ふつつかながらヴァンパイアでございますので」
支配人が言って、
「「「「「……………………」」」」」
もちろん、それも流されていた。
「おう。でもガマさんよ。今回の被害者は意識不明の重体じゃ。幾ら致死量には満たんゆうても、こりゃ、バレる。実際に事件になっとるやないか。それは、どういうワケじゃ?」
ふと誠司が尋ねる。
その質問にはガマさんも困り顔だった。
「そこは捜査中なんですよねェ。まぁ、犯人にしか解らない事情があったことは確かでしょうがねェ」
《ピピピピ ピピピピ ピピピピ》
不意に鳴ったのは、どうやらガマさんのスマホである。
「はい。え? 医者の見立てェ? 被害者は事件に遭う前から貧血だったァ? なるほどですねェ」
そうしてガマさんは電話を切ってから、改めて、
「まぁ、犯人にしか解らない事情があったことは確かでしょうがねェ」
「「「「「貧血ッ」」」」」
さて、それまでちょっと黙っていた僕だったが……、
最初のコメントを投稿しよう!