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「クソッ。違いましたかッ」
御神楽が悔しがる。
そりゃ、違うだろ。
と、僕は思ったが……、
でも、全体的に見れば、
「まぁ、一つだけ正解がありましたよね、今」と、皆に告げた。
「どういうことですかねェ」
皆の視線が一気に僕に集まる。
僕としては目立つのは好きじゃない。
平穏な暮らしを望むサラリーマンだ。
でも、このまま拘束され続けるのは、もう、限界である。
早起きしたせいで、とにかく眠い。
だから、僕は、
「一つだけの正解。それは犯人が御神楽さんだと言うことです」と、僕の気づいた、僕なりの真相を告げた。
「なッ、俺が犯人って、失礼ですね、君はッ」
御神楽が取り乱す。
その様子が僕の推理に自信をくれる。
「失礼かどうかは、僕の推理とその検証が全て終わってからで、お願いします」
「探偵の俺を差し置いて、推理と検証ですって?」
「ええ。まずは推理ですが、御神楽さんは誠司さんがヴァンパイアを見つけ出す方法をガマさんに聞いた時、強引に話を変えましたよね」
「俺はそんなことはしていません」
御神楽は言うが、他の皆は、僕の話に納得しているようだ。
「更にその後も、強引に誰かを犯人に仕立て上げようとしてましたよね」
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