17人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「俺は探偵なんです。推理するのは当然でしょう」
「探偵にしてはガサツで強引な推理でしたね」
「調子によっては、そういう日もあるんです」
「もう一つ。ガマさんの電話で、被害者が貧血だったと解った時、アナタは舌打ちしましたよね。あれって、つまり、普段通りの吸血にもかかわらず、事が大きくなったことの理由を知ったから、それを忌々しく思ったんじゃないですか」
「舌打ち? そんなものはしていません。そんなものじゃ証拠にはなりませんッ」
「そうですね。じゃあ、実際に検証してみましょうか。アナタがヴァンパイアなのか、そうでないのか」
「……何ですって……」
御神楽の顔から血の気が引いていくのが解る。
やはり……、
「ガマさん。ヴァンパイアを見つける方法はあるんでしょう。それがあるから、御神楽さんは話を強引に変えたんでしょう」
僕はガマさんを見る。
ガマさんは静かに頷いて、ポケットから取り出した何かを僕へと放り投げた。
「これは?」
受け取って見れば、何か金属の塊である。
「銀ですか?」
最初のコメントを投稿しよう!