ホテル・ヴァンパイア

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 誠司は再び豪快に笑っていた。  里穂という女、違う意味で怪しい。 「じゃあ、次は俺が自己紹介しましょうか」  誠司に絡まれた不機嫌を残しながら、知的な青年が言う。 「俺は御神楽(みかぐら)(りゅう)。探偵事務所をやっている探偵です。俺も休暇で来ていたんですが、どうにも天性の探偵としての素質が事件を呼んでしまうようで、全く自分でも困ってしまいます」  青年は言った。  この青年も、どこからツッコんで良いか解らないぐらい怪しい。  次は支配人だ。 「ワタクシはここホテル・ウエスタンスタイルの支配人を務めております、血井吸(ちいすい)泰蔵(たいぞう)と申します」  ん? 「すみません。支配人? その名前って?」  僕が尋ねる。 「はい。ふつつかながら、ヴァンパイアでございます」  普通に答えられていた。 「「「「「オマエが犯人ッ」」」」」  皆が一つになっていた。  そんな皆の顔を見まわしながら、支配人はクスクスと笑い、 「失礼。支配人ジョークです」と、言った。  超怪しいッ。 「ところで、さっきから色々口を挟んでいる君は何者なんですか?」  僕を指して、御神楽が言う。  僕はちょっと焦る。     
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