明けていく夜

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ピンポーン… インターホンの鳴る音で我にかえる。 こんな時間に誰だ? 涙をぬぐいながらモニターを確認すると、驚きで一瞬息をするのすら忘れるくらい意外な人物がそこに立っていた。 『あっ…明石… なっなっ…なんで… えっ…どーゆーこと…??』 「なぁさみーんだけど… 早く開けて」 慌ててロックを解除すると、そのまま明石はモニターから姿を消した。 えっなんだ… 何が起こってるんだ? …夢?? 混乱する頭の中がクリアにならないまま、ドアをノックする音が聞こえた。 ドアを開けると、そこにはまぎれもない明石海斗がいた。   『えっどーゆーこと? 何で俺ん家知ってんの??』 「とりあえず中入っていい?」 『えっ…あ…あぁ…』 道を開けると、そのまま中に入ってくる。 自分ん家に明石がいる。 何だこのとんでもない違和感。 リビングに戻ると、割れたグラスにハッと気づく。 『わり…グラス割れちゃって… すぐ片付ける』 「…………手伝う。 ビニールどこ?」 ビニール袋を引っ張り出して、明石に渡すと、   カチャ…カチャ… 割れたグラスが重なる音だけが部屋の中に響いた。
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