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「そろそろもう戻れ。こんなとこ誰かに見られたら、また何言われるかわからねぇし」
テレビではPioneersの名も。
歌も。
メンバーの名前すら言う事が許されない。
Pioneersに纏わる全ての事が封印されて、抹消されようとしている。
『松本君』
「ん?」
『事務所出ることにしたよ。
クーも…コウジも』
驚いて思わずヒロを見る。
『言っとくけど、僕らは目指したいところがあって、それが皆んな一致してるから、一緒に辞めて、一緒に始めるんだよ』
「一緒に…?」
『チーフマネージャーもね』
ニヤッとするその笑顔に、涙が込み上げてきそうになる。
『このままいたってジリ貧だからね。CMも番組も終わってしまうだろうし。
松本君と明石君は身動き取れないだろうからさ…
何よりファンの子達が…何も言わなかったし…未来が見えないのはあんまりだと思って…』
俺は今泣きそうな顔をしてるんだろう。
その顔をヒロが見て、薄く微笑む。
ヒロはそのまま話続けた。
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