出口の見えない約束

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『まぁ派手にぶっ放すつもりだから、見ててよ。だから守れなかったとか考えたりしないで』 ヒロがドアの方に近づいたので、 「別に会えなくなる訳じゃないもんな」 そうボソッと呟いた。 『何処かで聞いたセリフだね』 ヒロは柔らかな笑顔を浮かべながら、こちらを見た。 そして意を決したように、 『…それじゃまた』 そう呟いた。 ヒロの目を見て、俺は少し頷く。 それを確認すると、ヒロは部屋を出て行った。 事務所をでれば、しばらく会えない事はわかっている。 もしかしたら一生会えないのかもしれない。 ヒロも痛い程それはわかっているだろう。 それでも俺達は、"また"と言う。 忘れられない、あの場所で再び会う事を。
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