狼煙をあげろ

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今度はクーもさすがに言葉を失っていた。 だってそこには事務所のマネージャーやら、Pioneersが今まで関わった番組のスタッフやら、昔MVを撮ってもらった人達… 多岐にわたる会社の方々の名前が並んでいた。 『え、だって勤めてる所はどうするの? 仮に僕らが事務所を辞めて、そこに協力ってなったら、絶対会社から圧力かかるだろ?』 僕が慌てて質問をすると、 「だから会社辞めて、協力してくれるって」 また僕も言葉が出なくなってしまった。 名前があった人達は、それなりのキャリアを持ってる人達だ。 つまりそれを捨ててでも僕らと仕事をしたいと言ってくれてる。 まったくどうなるかもわからない場所に賭けると。 「俺はOKだよ。コウジと一緒にやる」 クーは速攻でそう答えた。 ビックリして、クーを顔を思わず見てしまった。 『そんなすぐに!? だってそれはつまり…僕らも今まで築いてきたキャリアを全て捨てるって事だぞ?』 「捨てるんじゃない。置いていくだけだ。 大体松本君達がいるんだから、預けるって言って欲しいよ」 思わず声を荒げた僕に、コウジが冷静に突っ込んだ。コウジが話を続ける。
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