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「名前も歌も全部奪われた今の状態じゃ戦えない。
このままここで機を待つのもありだと思っていたけど…それがいつになるかはわからない。
5年後かもしれない。10年後かもしれない。もしかしたらそんな時は来ない可能性だってある。
いつになるかわからないものを待つより、外に出て、今まで出来なかった事を思い切りやるのもいいと思ったんだ。
今ある番組とかは全部失ってしまうかもしれない。0からのスタートになってしまうかもしれない。
でもずっと見てきたファンの子達が…そこにPioneersを感じて貰えるような、ガムシャラで必死な姿を見て欲しいなって」
ファンの子達が疲れてきてるのは、僕だって感じている。
これはおそらくその為の救済処置なんだろう。
コウジの揺るがない強い想いは、それ以上聞かなくてもすぐ理解できた。
Pioneersを感じてもらうためには、1人でも多い方がいいに決まってる。
軽くため息をつくと、
『やるよ。3人でやろう』
そう言った。
わざとらしくコウジが抱きついてきたので、『どうせそう言うと思って言ってんだろ、お前』と小言だけは言わせてもらった。
この先どうなるかわからないのは、どこにいったって一緒だ。
なら心が踊る方に僕も賭けてみよう。
狼煙はあがったのだから。
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