眠らせて

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「ホント羨ましいわ。アキラ君だっけ? カッコイイし優しいし、理想の彼氏だよねー」 「アキラってカッコイイの? もう長い付き合い過ぎてそれもよく分かんないよ」  私の言葉に麻衣がとんでもないって表情になった。 「カッコイイじゃん! 爽やかだし、身長もあるしっ! 私の彼なんてもうさ~」  麻衣がまた愚痴り始める。麻衣の彼はたしかに見栄えはいいんだけど、話を聞いてる限りクズっぽい。チャラ男って言ったらいいのかな。麻衣のアパートで週の半分は寝泊りしてるくせに、しょっちゅう他の女の子とも飲みに行ってるらしい。麻衣はそのことで彼と喧嘩が絶えないとよく愚痴を零す。 「麻衣先輩もいい加減、そんな男見切りつけたらどうですか」  琴美ちゃんが容赦なくバッサリ言うと、麻衣がガックリと頭を落とした。 「だよねぇ~。私にもいないかなぁ~。優しくて、私だけ大事にしてくれる男」
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