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諫美がついに核心をついた。
何とも言葉に尽くしがたい空気が4人の間を流れる。
「だってもう、情報収集の意味ないじゃん。実物が脱走してるんだし、MARSが先に動いてるならモノだってないだろうしね。つーか、もうこれテストのレベルじゃないよね。色々飛ばし過ぎでしょ」
「……先生がMARSにいた頃のメンバーって、もうほとんどいないんだよね? ってことは、誰がMARSになっててもわからないってことで……」
「まさか。こういうテストでの合同調査はいつもより慎重に組み立てられるんだ。MARSの中に紛れ込んでたっていうのも、あまり考えられない」
「智がいた頃ならね」と遼太朗が最後に付け足すと、智孝は息と共に言葉を呑み込んだ。
「ううん。MARSの中に、とか依頼自体ってわけじゃなくて……。もし、この依頼を途中で『敵』が知ったとしたらどうかなと思って。私達が出発前に会ったMARSの人達全員、本物だったのかな?」
「それこそまさかな事態だけど、ありえなくはないな。だとしたらこの流天という組織は相当やっかいだね」
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