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「……本当に女の子がいる」
「えっ!?」
急いで顔を覗かせるも、同じタイミングで女の子は壁の後ろに隠れてしまった。「ほらね」と有羽は顔に書き、そーっと女の子の方へ歩き出す。そして
「かくれんぼしてるの?それじゃ、次はオニになってね」
と明るく声をかけた。
「かくれんぼって、なあに?」
女の子は意外にも警戒心を解き、そんなことを口にしながら遠慮がちに顔を覗かせた。まだ7~8歳くらいの白いワンピースを着た女の子は、とても元気そうだった。
有羽はにこりと笑って、女の子の傍らにしゃがみ込み目線を合わせる。
「かくれんぼ、知らないの?」
こくりと頷く女の子。有羽は簡単にルールを説明した。
有羽は確かに子供に好かれる。だけど、こんな夜中に見知らぬ大人達に囲まれても、女の子は有羽の話を頷きながら聞いている。
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