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マチカはぎょっとして、何度も首を縦に振り「できる」と答えた。本当の理由に「見なくていいものを見せないため」だと気付いた有羽は、鬼には到底似合わない言葉をそっと囁いた。
ふと、マチカの様子に遼太朗は違和感を覚える。それを確認するようにこんなことを聞いてみた。
「そういえば、ここに来るまでに何か見た?」
「ううん……何も見なかった」
「──そっか。ならよかった」
マチカ、君は一体どこから来たんだろう。
その違和感を振り払うように笑みを作ると、「じゃあ行こうか」と立ち上がる。
そこへ、先程は取れなかった1班から連絡が入る。
大きく息を乱した野田実春だった。
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