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「あとは各自、班長に報告の仕方などの確認をとるように。以上で説明は終わりにするが、全体的な質問はあるか?」
誰も手を挙げなかったので智孝は説明を終え、一時間後の出発までに準備を整えておくようにと告げて壇上を降りた。
こちらに向かってくる智孝と遼太朗に、有羽は逸る気持ちで疑問を投げかける。
「ねえねえ、生物兵器ってどういうの?細菌みたいなやつ?それとも、動物の変なの……ゾンビみたいなのとか?」
「ゾンビって。有羽、ゲームやりすぎ」
「諫美くんには負けないから」と小さくガッツポーズをとると、智孝がちょっと困った顔をして答えた。
「それがな、MARSの調べでもよくわからないんだよ。細菌の類ではないらしい」
「ふーん……MARSでもわからないんだ」
ちょっと皮肉めいて有羽が言うと、諫美は「なんかなー」とため息をつくように言葉を吐いた。
「先生、MARS辞めない方がよかったんじゃん?」
「確かに。智がいた時と力量の差がはっきりと出てるよな」
続けて遼太朗がそんなことを言う。
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