第零章 START

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第零章 START

嵐の前の昼下がり。踏み出す三位決定戦。 応援に出払って誰もいなくなった廊下を、白石は疾走していた。 開始五分前だというのに、ヘアアレンジに余念のないメンバーが一人、化粧室から一向に戻って来なかった。結局見つけることの出来ないままに、急いで体育館に向かう。 やっとの思いでコート裏に辿り着いた時、リーダーの金本が、未だに精神統一をしていてげっそりした。目をつむったまま座禅をして、ピクリとも動かない。 白石は手際よくクラスのみんなを誘導し、チームメイトにゼッケンを配った。 三分前になった頃、ようやく金本がベンチ入りしてきて、“円陣を組もう”と言った。相変わらず一人不足したメンバーにイライラしながらも、白石は戦友と肩を組んだ。     
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