最期の願い

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食ってかかってきそうなディアスの顔を眺め、いっそのこと説明してやろうかと思ったが、その必要も無いかと喉まで出かけた言葉を飲み込む。 こいつに話したところで、こいつももう止まれない所まで、こうして俺を追い詰める所まで来てしまったんだ。 「たとえ何であろうと、お前は倒す。」 「…好きにしろ。話なんざ、もう必要無いだろ、この状況。」 自分から話しかけておいて、何を言ってるんだと自嘲しかけたがそれを堪えて、再び互いに剣を握り締める。 ああ、本当にこれが最期なんだな。 不覚にも過ぎった想いが込み上げ、俺は小さく舌打ちをして、ディアスと再び死闘を始めた。 何度打ち合い、何度斬り結び、何度ぶつかりあっただろう。 打ち合う程に、戦闘が続く程に、互いの消耗は激しく、数が増えていく。 会話をする事もなく、ただひたすらに戦い続けて3時間。 俺は地面に跪くようにして、ディアスは俺に剣を突き立てて、互いに肩で息をしたまま動かなくなっていた。
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