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ゴロゴロと転げ落ちる様に膝から降りる。
「ユーリ?!」
「申し訳ありません! お嬢の膝をお借りするなど!」
危なかった。もう少しで衝動に駆られてお嬢のYのデルタでトライアングルな聖域に顔を埋めて深呼吸したいという誘惑に負ける所だった。
セメントでも俺の理性は固められないらしい。
やはりアロンア○ファを大量に消費して固めておくべきだったか。
と、それよりも何よりも先ずは。
「お嬢! ご無事ですか?!」
お嬢の安全確認だ。
「えぇ、ユーリが庇ってくれたから大丈夫」
「本当に? 何もありませんでしたか?」
「ユーリ?」
「本ッ当に! 服が乱れてるとか、どこか痛いとか、大事なモノを喪失してしまったとか! 無いですか!」
「特に無いけど……何故?」
俺の記憶の最後は、そう、お嬢を強く抱き締め、お嬢の柔らかさを堪能した所で終わっている。
「俺が記憶とともに理性までぶっ飛んでお嬢に無体な真似をしてないですか!」
俺の理性を俺自身が一番信用していない。
「大丈夫よ、ユーリ。ユーリはちゃんと紳士だったわ。私を庇ったまま気を失っていたわ」
「よかった……!」
「とても熱烈な抱擁だったわ、ユーリ」
よくなかった……!
「俺は……俺は、お嬢に何て事を……! 申し訳ありません!」
「あら、ユーリは私を守ってくれたのよ? 謝る事なんて何も無いわ」
お嬢……何とお優しい……天使……!
「何なら今から続きをしてくれてもいいのよ?」
お嬢……何と魅惑的な……小悪魔……!
「いえ! この様な場所でその様な事は出来ません! お嬢の二十歳の誕生日を迎えてから、大人のレディーになったお嬢に相応しいホテルのスイートルームでと決めてますから!」
「私の事をそこまで考えてくれてるユーリ優しい! そして計画性もばっちりね! 素敵! 嬉しいわ、ユーリ! 愛してる!」
「俺も愛してます、お嬢! だからこそ、こんな野外、しかも森の中などでは! ……森の中?」
そうだ。森の中だ。
今、俺とお嬢は深い森の中にいる。
「えーと、お嬢……ここは?」
「わからないの。気が付いたら、ここでユーリに抱き締められていたのよ」
ぐるりと辺りを見回す。
森だ。
どう見ても森だった。
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