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光の中に手を差し伸べ、剣の柄へと指を伸ばす。
まぁ、ぶっちゃけパンツの中に手を突っ込んでナニの部分をまさぐった訳だが。
剣の柄を握った途端、何かが繋がった様な感覚に襲われた。
反射的に手を離し、引き抜いた手を眺める。
「ユーリ? 何が起きてるの?」
「大丈夫です。お嬢はそのまま目を閉じていてくださいね?」
「はぁい」
紅いトカゲが何故か硬直した様に動かないのを確認してから、再び手を中へ。
そして剣の柄を握る。そして理解した。
これは俺に与えられた武器、護身具なのだと。
理由なんてわからない。
けれど、これだけはわかった。
これはお嬢を守る為に必要な『力』なのだと。
俺は剣の柄を握ったまま、ゆっくりと手を引いた。
ずずっ、と剣が引かれ、眩く輝く刃が俺の『中』から抜き出てくる。
それと共にじわりと漆黒の光が放たれる。
そう。コレは言わば俺の『内なる獣』の具現化。
俺のお嬢への愛の結晶。
刃渡りはちょうど日本刀と変わらないくらい。
柄こそ剣だが、刀身は薄刃で細身。だが両刃。
「安心しろ、峰打ちだ」とはいかないらしい。
まぁ俺を敵に回すという事はお嬢に害する者なので不殺などという選択肢は無いから問題は無い。
刃は何故か白黒ツートンだがコレは何か意味があるのだろうか。
それとも俺のプラトニックな愛情と邪な劣情が生み出した産物という事なのか。
剣といえば金属製のはずなのだが、何故だろう?俺の鼓動に連動する様に脈動している様な気がする。
「ユーリ? もういい?」
「はい……あ、いえ!」
ついうっかり、いつもの様に返してしまったがコレは俺の股間から生えたシロモノ。
そして、この感覚からすると……コレは俺のアレであるという事になる。
何と言う事だ。
お嬢ではなく俺が喪失感を覚えてしまうとは。
そんな俺の股間の喪失感は今は置いておこう。
決して無くなった訳ではなく、取り外し可能になっただけなのだから。
それよりも。
「ユーリ? その剣はどうしたの?」
俺のナニが変化したと思われるモノをまじまじとお嬢が凝視している。
そう。俺のナニを、お嬢が、じっくりと……俺のナニが、お嬢に見られている……!
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