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アーア・・・また留守番だよ、きっと。
ママは、目が赤くなっているし、お姉ちゃんは完全に泣いちゃっている。
みんなも僕と一緒で、おじいちゃんが好きだったんだな。
僕も自分が死んだら、みんなに泣いてもらいたい気がする。
とにかく、明日はきっとみんなが忙しいから、僕のおやつは忘れてしまうかも。
葬儀場という所までは、僕は行けないらしい。
しばらく家で待っていると、みんなが帰ってきた。
ママもお姉ちゃんも、目が真っ赤だ。
ママは、玄関を入ると廊下を歩き出した。
僕も後ろからついて行った。
廊下の突き当り、おじいちゃんの部屋だ。
よく、ここでおじいちゃんとテレビを見たものだった。
そんな事を考えていると、部屋の茶箪笥の上にある置時計が!!!
置時計の針がぐるぐると2週まわった!!!
気のせいなのか、疲れていて見間違えただけなのか、ただ時計が壊れた?のか。
暫く動けなかったような気がする。
多分ママもそうだったのかな。
「おじいちゃん帰ってきているのなら出てきてよ」???
ママは、小さい声で言った。
そうなのか?本当にそうなのか?
でも、部屋の中は何事もなく、コチコチと置時計が時間を刻んでいた。
ママは、あの後どうしたんだっけ。
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