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山田 花子が転校して来て、早3日。
彼女が転校してその日の内に、10人が告白に至ったという伝説は最早校内だけでなくこの辺りの地域では語り草となっていた。
それも、全員フラれたらしい。
「百春~、お前席隣だべや、チャンスあるんじゃねーのぉ~?」
「そぅよぉう~♪オバさん達にキュンキュン指数を与えておくれぇ~☆」
「やめろ、気持ち悪ぃ。」
またいつもの3人でお馬鹿な会話を繰り広げつつ、登校する。
「あ、そっか。モモハルくんは"愛しのあの子"がいるもんね~(笑)」
「バッ!…やめろ瀬戸!そんなんじゃねぇって!!」
赤面して叫ぶ百春は、随分と図星だった。
『あっ、おはよーみんな!』
「「「!」」」
噂をすれば、とはこの事である。
3人の元へ駆け寄って来たのは、可愛らしい女の子。
「おはよー沙希っ!」
「おはよう叶ちゃん。」
瀬戸とは仲良しなその子は、小柄な体で精一杯笑ってみせる。
「よう、柏木。元気そーだな今日も、」
「百春くんはもうちょっと元気出した方が良いよっ、いっつも覇気がないし。」
「うるせ。」
百春は、本当に彼女と話す時は心からリラックスしている。
…彼女、黒髪の女子は【柏木 沙希】。クラスは違うのだが、1年の時は級友として仲も良かった。
黒髪がよく似合う若手清純派女優のような彼女は、恐らく校内でも3本の指に入る人気である。
華奢な身体は思わず守ってあげたくなる印象を与え、小さな身体ながらも胸部にはドドンパと溢れる二対の豊満なメロンソーダの原料になりそうなアレと瓜二つの膨らみ。
(くっ、柏木…!やはりあざ可愛い!)
※「あざとい+可愛い」の意味
…何を隠そう横木 百春は、彼女に絶賛片想い中だ。
(名前も"サキだし")
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