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昼休み。食堂にて柏木がカレーライスを頬張る、
「でも凄いよね~、山田さん私達のクラスでも何人か告白した人いるんだよ。」
ボヨン、と音がしそうな…実際しているくらいの弾力で柏木の胸が食堂の卓上で戯れる。
「都内の統計調査だと今週中に全校生徒が失恋するんじゃないかって話らしいわ。」
「「誰が調べたんだ、誰が。」」
瀬戸の話が本当ならば、恐らく校内では固い漢達の絆が生まれる事だろう。
「それじゃ俺達までフラれる計算じゃねーか、バカじゃねーの。」
百春はカツ丼で頬を膨らませる。
「まぁありゃあ、誰が惚れてもおかしくねーけどさ、俺も告白まではいかねーよな~、高嶺の花過ぎて宇宙までイッちまってるよありゃ。」
「それな。」
うんうん、と真崎の意見に百春は賛同。
「でも百春くんなんてそんな山田さんと隣の席なんでしょー?全校生徒の羨望の的だよ。」
「え''。」
嫌な予感。
『おいアイツ、』
『あぁ間違いねぇ…!』
『俺らの心の拠り所を汚す者!!』
思いもよらぬ所で命の危険が発生しているとは。
「百春くんはどうなの~?山田さん、実際すっごい美人だし、好きになってないの?」
「な、なってねぇよ!ゴッドに誓って!」
「「何でそこだけ英語だよ。」」
真崎と瀬戸のツッコミは熟年の芸人のよう。
「そっかぁ、そうなんだ…」
「?」
深い息遣いで、柏木はそう呟いた。
(今の、何…?)
それが何を意味するのか、やんわりと考えたりしていた。
…その時だった。
「隣、イイかな?横木くん。」
『!!!!!!!!!』
食堂のその場の空気が、一瞬にして鮮やかに彩られた。
「ゃ、山田さん…」
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