第3章 彼女の事情

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「ねえ、ヨウくん」  わたしは話題を変えようと、まじめに話しかけた。 「ん?」 「今日のこと、お父さんたちには内緒にして」  もうすぐ家に着く。残り時間も少なくなったので、ヨウくんにお願いしてみたけれど。 「だーめ」  あっさり拒否されてしまった。 「ケチ」 「こんなことが二度とないように、親御さんにきっちり叱ってもらわないとな。そうだ、話をするついでに夕飯を食べていこうかな」  なんでここで教師モードに戻るかな。こういうときこそ、お兄ちゃんモードで対応してほしいのに。  でも落胆する必要なんてなかった。ヨウくんと一緒にお店に寄ると、すでに両親はカンカンで……。
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