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「何度も電話したのよ!」
自宅に連れていかれ、さっそくお母さんに怒鳴られる。スマホの着信履歴を確認すると、その数はすごいことになっていた。
「ごめんなさい」
軽く事情を説明して謝ると、お母さんに盛大なため息をつかれた。
「お酒は一滴も飲んでいないそうですから」
ヨウくんがフォローしてくれるけれど、お母さんの怒りはおさまらない。
「まったく、お友達に誘われたからって、高校生がショットバーなんかに出入りしちゃだめでしょう。だいたい、夜に家を抜け出すなんて……」
「もうしません」
「あたり前です!」
「でもなんでわかったの?」
「築が教えてくれたのよ」
「えっ……。築のやつ……」
サッカーボールを買ってあげるって言ったのに。お母さんたちに告げ口したバツとして、誕生日のプレゼントは算数のドリル帳にしてやる!
「築のことを怒ったら承知しないわよ。築は天音の帰りが遅いから、心配して言いにきたのよ」
「心配……? わたしのことを……」
そうだったんだ。築はわたしに意地悪しようとしたんじゃないんだ。
涙目の築が脳裏に浮かんだ。わたしの帰りが遅いから……。後で築にも謝らなきゃ。
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