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翌日、赤羽さんは学校に来なかった。
1時間目の休み時間。職員室での、このヨウくんの苦々しい顔からして、無断欠席らしい。
「彼女のことは僕にまかせて。橘さんは教室に戻りなさい」
「ごまかさないでよ。赤羽さんと連絡は取れたの?」
「橘さん、いい加減にしなさい」
「心配なの。昨日、電話で直接話したんでしょう? どんな様子だった?」
最初は「うーん」と、うなっていたヨウくんだったけど、しつこく食い下がるわたしに根負けしたらしい。まわりを気にしながら声のトーンを落とし、赤羽さんのことを話してくれた。
「昨日はお母さんと話しただけなんだよ。部屋から出ないらしい。でも食事はちゃんと食べてるっていうことだったんだ」
「じゃあ、今も部屋にこもってるの?」
「それが……」
ヨウくんが深いため息をつく。
「どうしたの?」
「今朝、お母さんが仕事から帰ったとき、部屋にいなくて制服もなかったから、てっきり学校に行ったんだと思ってたそうだ」
「行方不明ってこと!?」
「ばか、声が大きい」
言われて、慌てて口もとを手で隠す。
それにしてもどこに行ってしまったんだろう。七瀬さんと一緒ならいいんだけど。それとも今、ひとりぼっちでいるのかな。
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