第6章 曖昧なままで

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 もう一度サンダルを履いて通りに出ると、待っていたヨウくんがわたしに気がついて歩み寄ってきた。 「お待たせ。はい、これ。電子レンジであっため直して食べて」  わたしはカレーとごはんの入った紙袋を渡した。 「いいのか?」 「うん、わたしが作ったの。カレーなんだけど、ヨウくん好きでしょう?」 「ああ、大好きだよ。悪いな、助かるよ」  もしかすると、今日は家でゆっくりしたい気分なのかもしれないと思った。  わたしの手料理で申し訳ない気もするけれど、普段はコンビニ弁当が多いだろうし、カレーなら食べやすいだろうから。 「ありがとな」  面と向かってお礼を言われると照れくさい。けれど、こんなわたしでもヨウくんの役に立っているんだと思ったら、うれしかった。 「ううん、ぜんぜん! だってたくさんお世話になってるもん。これぐらいじゃ、足りないくらいだよ」 「そんなことないよ。天音は俺にとって元気の源だから。天音の笑顔は癒やされる」 「やだ、なんかそういうの照れるし、大げさ……」 「そんなことないよ。天音が鳴海くんと別れたとき、泣いて落ち込んでいるのを見てるのは、俺も苦しかったよ」 「そんな昔のこと……」
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