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「なにをばかなことを言ってるんだ。そんなのはデタラメに決まってるだろう」
「じゃあなんで、ふたりそろって補導されたんですか?」
「その件については、話すつもりはない。それに処分されていないということは、そのうわさは事実じゃないってことだ」
ヨウくんは動じることなくきっぱりと言った。
けれど、みんなは納得していないようで、批判的な言葉が飛び交っている。わたしはなにも言えず、ただ時間がたつのを待つことしかできなかった。
窓際の席の赤羽さんは、なにも聞こえていないかのように、ずっと窓の外を見ている。
でも強がっているというふうではなくて、本当に興味がないようだった。
今の彼女にとって、みんなの好奇心や揶揄なんて、些細なことに感じるのかもしれない。あの空の、はるか彼方にいる七瀬さんのことのほうが重要なんだろう。
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