第7章 ここで君を待っていた

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 その日はずっとうちのクラスは落ち着かなかった。  口を開けば朔夜くんと赤羽さんのことばかりで、視線は常にふたりのどちらかに集中していた。  掃除の時間になっても、その状況は続いていて、わたしが黒板を掃除していると、3人の女の子グループに取り囲まれる形になった。 「ねえ、橘さん。あのふたりのこと、どう思う?」  3人のうちのひとり、リーダー格の馬渕(まぶち)さんがたずねてくる。 「どうって?」 「事情を説明するべきだと思わない? 警察まで絡んでるのに」 「でも貴島先生が言ってたじゃない。うわさはデタラメだって。それでいいんじゃない?」 「鳴海くんと赤羽さんがどういう関係なのか、知りたいと思わないの?」 「思わないよ」 「嘘ばっかり、興味あるくせに。赤羽さんって地味子をよそおってるけど、鳴海くんのことをたぶらかしたんだよ。橘さんもそう思わない?」 「別にわたしは……」
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