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「そこまで言うってことは……。もしかして鳴海くんと同じ中学だった人って、橘さん?」
「だったらなに?」
「鳴海くんのこと、好きだったとか?」
「えっ……」
馬渕さんが確信めいたように聞いてくるので、わたしは息を呑んだ。
「赤羽さんのことをかばうようなことを言ってたけど。本当は鳴海くんと赤羽さんの仲を否定したいんでしょう?」
「なんでそうなるの?」
「だって橘さんって、赤羽さんと仲がよかったわけじゃないよね。かばう理由がないんだけど」
このときすでに、クラスメイトがこの騒動に気づき、注目していた。
けれど、わたしも引き返せないところまできていた。
馬渕さんたちの挑発に乗ってしまい、踊らされているとわかっているのに、どうにも自分を止められない。
「少なくとも、馬渕さんたちよりは赤羽さんのことを知ってるつもり」
「そうやって、いつもいい子ぶっちゃって」
「べ、別にいい子ぶってなんか……」
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