第7章 ここで君を待っていた

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 全力で否定できないのが悲しい。その指摘は、はずれてはいない。  すると、ほかのふたりも口々に言った。 「そうそう。前から思ってたんだよね。橘さんって、見ていてイライラするの」 「貴島先生のお気に入りだからって、いい気になって。ほんとムカつく」  3人の言葉が容赦なく、わたしを襲ってくる。  だけど、こんなのってない。なんでそんなふうに言われなきゃならないんだろう。  イライラする? ムカつくってなに? わたしがいつ迷惑をかけた?  むしろ、あなたたちの嫌がることを引き受けて、犠牲になってきたのはこのわたしなのに……。  けれど言い返せない。だって、この人たちの言っていることはきっと間違っていない。  実際、わたしは彼女たちを怒らせている。がんばって隠してきたつもりだったけど、このゆがんだ性格は朔夜くんだけでなく、ほかの人たちも不快にさせてしまうんだ。  結局、なにをしてもわたしは変われない。 「おまえら、寄ってたかって、なにやってんだよ」  ……えっ?
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