第7章 ここで君を待っていた

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 大徳寺先生は50代のベテラン教師。たくましい名前と迫力のある声だけど、れっきとした女性だ。 「大徳寺先生、聞いてください。うちの学級委員長と貴島先生が昨日の夜に密会していたんです」  馬渕さんがニヤリとした。  大徳寺先生が目だけを動かして、わたしを見る。 「馬渕さん、本当なの?」 「はい、橘さんも認めてました。個人的に会っていたのは事実です」  そして馬渕さんが大徳寺先生に駆け寄り、なにやら事細かに説明をしている。すると大徳寺先生は、「橘さん、一緒にいらっしゃい」とだけ言って、教室を出ていった。  もう逃げることはできない。  どちらにしても話すべきことはちゃんと言わないと、ヨウくんの立場が危うくなってしまう。  朔夜くんの顔を見ることはできなかった。  誤解だと後で伝えればいいのだろうけれど、言ったところでなにが変わるんだろうという気もした。  朔夜くんがわたしを好きだと限らない。わたしがヨウくんとどういう関係かなんて、どうでもいいのかもしれない。  追いつめられたわたしは、そんなふうにしか考えられなくなっていた。
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