桜に恋。着物で来ない筈はない！

ー理性が勝つか欲望が勝つかー

あまりの弘子の表情に、だんだんと俺の方が恥ずかしくなってきて 思わず目をそらしたら、今度は荒々しい動作のせいか衿元が乱れて弘子の朱色に染まった肌が見えてしまった。

その時、

頑張って耐えていた俺の理性は崩壊した。

「あー、わかったわかった、じゃあ･･･こっちはどう？」

あることを思いついた俺は、弘子の両手首を右手で自分の胸元に引き寄せ、同時に背後から弘子の左肩に自分の左手を掛けて、ぐっと自分に引き寄せた。

浅く腰掛けていた弘子は前にバランスを崩し、腰は浮いて背もたれとの隙間が更に広がった。

俺は、その隙間にベンチに腰かけたときに脱ぎかけていた靴を左足からさっと脱いで、体を開いて弘子の背中に滑り込ませた。

そうして、弘子を背中から抱きすくめると、胸元の合わせ目から、手を滑り込ませようとした。

「ち、ちょっと、どこ触ろうとしてる？」

弘子がバタバタと抵抗をする。

「胸だけど？ほら、よく言うじゃん。着物の下はノーブラだって」

ぎゅっと抱き締め、耳元にわざと息を吹き掛けるように話せば、弘子の体温が上がる。

「直に、確かめさせてよ」

ああ、弘子の匂いが漂ってくる。

「･･･ねぇ、本気？」

「本気。ちょっとだけでいいから、触りたい」

一度火がついた俺の欲望はもう止められない。
さよなら俺の理性。