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「そう、長襦袢。赤い半襟が見えてるでしょ?これを着てから着物を着てるんだよ?衿元をよく見てよ。右左右左って交互に合わさってるから、着物の下に手を入れても、これにしか触れないようになってるの!」
ああ、その長襦袢に衿がくっついているのか、面倒な。
「そうだったんだ・・・」
少しがっかりしながらも、せめてもう少し奥まで触ってみたいという欲望を諦めたくはない。
衿を崩さないように慎重に指先をずらしてみれば・・・あれ?
感じた疑問を弘子にぶつけてみる。
「この感じだと、まだなんか下に着てるよな?」
どうも、胸の上に当たっている気がしない。
「補正タオルね。着物は体のラインを補正して、寸胴にしたほうが綺麗に見えるし、着崩れも防止できるのよ」
「補正タオル・・・厚そうなもの着けてんだな・・・」
「現代の着物はよそ行き着だから。少しくらい着崩れても動きやすさ重視なら、肌襦袢の上に長襦袢、そして、着物よ」
タオルの下に肌襦袢がある?
くそ、なんてことだ。
でもすぐに俺は思い付いた。
交互に合わせているのだから、その隙間を縫えば、直乳・・・
ニヤリと頬が上が上がった俺をよそに、ちなみに、と弘子は続ける。
「肌襦袢は、本来、素肌につけるから、肌襦袢って言うんだけど・・・」
「・・・本来は?もしかして、その肌襦袢ってやつの下にもまだ何か着けてるの?」
嫌な予感がして聞いてみた。
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